アジカン復活

アジカン復活だね」と妻が言った。ぼくはうなづいた。
なんとテレビにアジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤と秋元康が対談をしていた。対談というより並談といえるような奇妙な話の風景がうつしだされていた。「マーチングバンド」という曲の演奏もあった。初めて聴いた。
   

マーチングバンド

マーチングバンド

翌日、「マーチングバンド」を借りてくるといって帰ってきた妻が手にしていたのは”BEST HIT AKG”.
「AKG」には笑ったけど、その「ベストヒット」のCDに、かつてのアルバムを丸まる演奏したようなスタジオライブのDVDがついている。DVDを見ながら思った。大学生上りの青さが切り裂いた痕跡のようなかつての歌を、おぢさんになった今演奏するというのはどういう心境なんだろう。音楽において、その二者はどう出会いどう格闘するのだろう。
   
BEST HIT AKG(初回生産限定盤)(DVD付)

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それはさておき、「アジカン復活」の「マーチングバンド」は、もうそこだけで充分だというところがある。
「マジックディスク」という駄作を経たが故と言おうか、その意味では、よいものはダメなものの副産物とさえいえるだろう。つまりダメなものはダメだからよいということです。
どぶさらいをした後の輝き。凄味のある輝き。それはあんまり輝きふうではない。けど、艶消しのようなそれである。

 
   開け
   心よ
   何がやましくて
   何故 悩ましいんだ
   僕ら


ね。でしょ?こんな言葉がでれば十分だ。


    光れ
    言葉よ
    それが魂だろう


十分以上だ。だから溢れだす。あふれたものはぼくをうち震わす。