白の重層

鳥取砂丘に行った。鳥取市は今年雪が多いらしく、街中も雪に埋もれている。砂丘も雪だ。
「お先まっしろだあ」と笑って駆け出す息子。大変いい。お先まっ白って。未来はわかるものではない、つまりお先は真っ暗なのだ。しかし未来は決まっていないということではまっ白なのだ。未来に対するこの姿勢が基本になっていれば、占いや予言に惑わされることないであろう。
雪の上に散見するごみを、「まただ」とか呟きながら歩いていた息子は「とうさん」と呼びかけて曰く、
目に見える砂は少なし
目に見えるゴミは多し
と。朝から調子よく舌が回っていた。
バチカン市国って、バを取ったらチカン市国、語順変えたらバカチン市国
という、世界12億のカトリック信者を敵に回すような、しかもいかにも僕のツボにはまるような言葉遊びである。
それにしても、雪の砂丘なんてとみくびっていた。足を踏み入れるまでは。



青い白
雪のそれ
空のそれ
雲のそれ
青い白に青い白が重なり
立体感を狂わす重なり
距離感を消す遠近法


どこまでもつづくどこまでもつづくどこまでもつづく

白さに方向感覚を失い眩暈を覚えながら縦走し丘を登りきったら海が見えて、やや興ざめ

鳥取へは、bonbobsのライヴで行ったのでした。ドラマーの辻君とは浅からぬ縁なので。