彼岸に花

JackSpirit2005-12-11

曼珠沙華ついでにもう一つ。曼珠沙華彼岸花ともいいますね。
彼岸。われわれの住む迷いの此岸から彼岸に至る、到彼岸をさとりという。そして彼岸に至った人は(ほんとは人ぢゃなくもはや仏陀ですが)迷いの此岸にもう一度帰ってくる、という言い方。これは此岸を離れ難いわれわれにとっても、わかりやすい思想表現であろう。
此岸の人が理解できる、つまりさとりを迷いの発想で表現したのであり、その表現はさとりの智慧から来るのではない、ということは、さとりを開いていないぼくにもわかる。彼岸に至ったら彼岸はない。つまり彼岸と区別される此岸はない。分別知ではなく無分別智の境界に至る、といっても、さとりを開いたものは衆生救済のためにはたらくといっても、その内容を自らの身に充満させていくのは困難だけど、そのことが可能になる基礎構造を認めることはできる。それは決して摩訶不思議なものじゃない。
こんなこと考えて何になるか。さとりをさとりとしてあけておく、しかも身近なところであけておく、それとひとつに私どもは迷い以下になることも避けられる。