2015-01-01から1年間の記事一覧

メリークリスマス

わが家にはサンタさんは来ない。寺に住んでるから、仏教徒だから、それらは理由の一つ。キリスト教徒でもないのにクリスマスを祝わなくてもいい、とも思っている。仏教徒ぢゃなかったとしても、そしてサンタの格好がコカコーラ発のスタンダードであることが…

力に依拠しない世界を

「力」とは別の仕方で語ることの必要を感じ初めてからもう10年以上たつが、そういう言葉世界を開くのさえはかばかしくない。たとえば、聞くことが大事だというのを幼稚園でも語り続けているが、そこでつい「聞く力を育みます」などと言ってしまう。いやだな…

平穏無事なんて

佐野洋子の「死ぬ気まんまん」という本のタイトルを見て、二番目の娘いわく。「おもしろいタイトル。死ぬのもいいと思う。もし、死んで地獄とかなかったら、目が閉じて暗いまま、息もなくて、焼かれてそして何もないなら、地獄とかあった方がいい。」平穏無…

名月のもとで思う

名月や池をめぐりて夜もすがら 芭蕉 池をめぐるというのだから、月を見ているのではなく、月がうつっている池を見ている、さらには月の照らす世界を見ているということであろう。夜もすがらというのだから、一晩中月をながめ、眺めあかすということであろう…

棒倒し民主主義

民主主義という翻訳はよくない。デモクラシーは民主政治であって、「主義」などと曖昧なことを言うから野放図に広がって薄まり、本質を見失うのである。僕は大学の時の先生にこのことを学んだ。しかるべき領域の言葉であり事柄であるという制約を確認してお…

14歳の女子

中学2年の娘と父親の関係というのは、一般的に言っても簡単ではない。うちの場合、二言目には「ウザ」「キモ」と言うのが常態であるが、二言目ではなく一言目であるとか、そもそも一言もないとか、それによって関係は相当違いがある。何を言われても即答の…

磁器アーチストの言葉

「投げても届かない球は投げない。」ある女性が言った。ぼくは問うた、「投げ続けてたら届くようになるのでは?」。「それはない! 届くようになるまで待つ。」 へえ、と感心しました。あの、赤毛のアンのようなおさげと服装、網上げのブーツ、当時の「オリ…

子どもの言葉―どこでもドアの行く先

「どこでもドア」があったらいいなあ、と双子の娘たち。交通費かからないし、USJとか行くとき入場料払わなくてもいい。ドイツにも行ける。等々くだらないおしゃべりをしてるただ中で真剣なおたずねがこちらに向く。父さん、どこでもドアで地獄やお浄土も…

命ひとつ

花咲けば命ひとつということを 大峯あきら いのちという言葉は多様で多層である、はずである。魚は境港のいのちだなどという時、それは中核とか本質とかいう意味であろう。 なのに、この俳句の「命一つ」と聞くとたいていの人は思うのであろう。死んだら終わ…

息子の背骨

息子が中学校を卒業した。式後、教室に帰って担任より証書が手渡される。廊下で友人がたずねてきた、「確君(息子の名)、エジプトの文字書けるようになった?」。そういえば、あれは小学校の卒業の頃だった。エジプトにハマって、エジプトの神話・宗教、歴…

死神布団

死神を蹶(け)る力無き布団かな 高浜虚子 冬の朝は布団から出難くいつまでもぬくぬくしていたいという句であるなら誰もが共感できるのだが、それなら死神とは言うまい。 蹴り上げることができないほど居心地がよいというのではなく、布団のように死神が張り…

息子の成長;アクティヴラーニング

夕食後子どもたちがなにやら頭のいい人がどうのこうのと話している。お勉強できる人、成績のいい人が頭がいい人と同義であるというのは自明のことのようである。そこで、頭がいいってことと成績がいいってことが同じとは限らない、と振ってみる。 すると息子…

子どもの言葉ー出生前診断

出生前診断のニュースを見て妻が中三息子に、「想像できないかもしれないけどもし自分の子障碍があるとわかったらどうする」とたずねた。「え?どうするって?」「いや、妊娠を続けるか中断するか」「え?えー!それ殺人でしょう。法律で殺人を認めていいわ…