2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

磁石と釘

寺で話をする機会が、時々降ってくる。「僧侶よりも僧侶的」だとか、「いつ僧侶になってもおかしくない」「そのうちになるはずだ」などといわれながら、一向になる気がない。それだから機会は少ないが、好きな仕事の一つである。もし僧侶でなくても話をさせ…

兎の名

園ではうさぎを二羽飼っていて、園児が時折うさぎ小屋に入ってエサをあげたりして遊んでいます。この春卒園したお子さんのはなしですが、その子がうさぎの世話をしているのを見ていたら、うさぎの名を呼んでいるのです。園では名前を決めていなかったので、…

犬の名 猫の名

「名を呼ぶことの不思議」というサブタイトルで授業をしている。この数年来ぼくに取り憑いているのがこのことなのだ。名なき人の死を悲しむものはいない、と切り出して授業を始めた。 ところで、学生さんが『はれた日は学校をやすんで』というマンガを貸して…

「みんなちがってみんないい」の射程

「みんなちがってみんないい」を感傷的に、情緒的に感動するのはたやすいことである。この詩句を生きようと思ったら、生やさしいものではない。4月20日にこう書きました。ついでにこの句のカイシャクを少し。 「違い」の肯定はどういう射程をもっているか…

多なる生命体と一なる生命

『生命の本質と条件』所収の拙稿の一部をまたまた引いておきます(すでに2月15日と2月16日にも引用しています)。 冒頭の問い「人を殺すことはなぜいけないのか」に応えておかねばなるまい。〈生命は自分のものではない〉〈自分のもとはもはや自分とは言えな…

天上天下唯我独尊と「オンリーワン」

音楽は偉大だから、それに「世界に一つだけの花」はいい歌だから支持者が多くて、歌詞にイチャモン付けると評判がよろしくない。「ナンバーワンにならなくていい」と言いつつ「オンリーワン」は劣等感を潜めている。だからややもすると、競争を廃する。運動…

天上天下唯我独尊

先日、園で一と月遅れの花祭りがあり、園児の前で話をしました。 園児と共に、身は右手は天を左手は地を指すという形をとって、口には「天上天下唯我独尊」と言いました。身口意の三業を「天上天下唯我独尊」で統一するには、意識にもそれを満たさねばなりま…

西元和夫の授業へようこそ

新学期が始まりました。一時間目のテーマは「閑」。暇つぶしはやめよう、暇過ごしをしよう。創造的な閑はどっち向いたら出会われるか、ってんで学生を外に連れ出して大の字になって寝転がりました。秋なんかは特に外に出ることが多いのですが、受講生が多い…