2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

諸行無常といふ生活思惟習慣

2005.12.27 黒い鳥が死にゆく凍てつく日 雀は硝子に体を打ちつけ脳震盪で斃れ 陰惨な雲は時におとづれる晴れ間をたちどころに打ち消し 地滑りのやうな時の定めに 抗ふ術もなく年が暮れる 繰り返される滅亡の中 2005年も死んでゆく 去年(こぞ)今年を貫くも…

花の知恵

白河の春の梢のうぐひすは花の言葉を聞くここちする 西行花に言葉なんてあるか。花に知恵なんてあるものか。科学がなかった昔の人の言うことだ。文学的表現にすぎない。そういう発想の出所は「客観的」(と称される)自然認識であろう。しかし、「機械論的な…

眩しい! 何だこの赤は!?

赤い実は、鳥の目にとまり彼らはそれをついばむ。赤い衣の下に息を潜めていた種は、鳥の体をくぐり抜け、糞の衣をまとって抜け出し、自分の故郷から遠くへだたったところに着地する。そうして新天地に新たな繁栄を賭け、試みる。 もしそうだとしたら、赤い実…

南天の色

南天の実は、なんであんなに赤いんだろう。

「Jポップで哲学する」に出てくる人名

拙著『花はどこに咲いているか−Jポップで哲学する』で名前の挙がっているグループ、人を見てみましょう。(カッコ内は頁数) Bump of chicken 奥田民生 小沢健二 宮澤賢治(29) スーザン・シャラー(30) 中原中也(33) はたよしこ(33) 松尾芭蕉(37) 西谷啓治(3…

『花はどこに咲いているか−Jポップで哲学する』目次

拙著『花はどこに咲いているか−Jポップで哲学する』をたくさんの人に読んでほしいと思っています。内容をお伝えしたいのですが、とりあえず目次でもって、内容をご想像下さい。 はじめにⅠ 花はどこに咲いているか――バンプオブチキンで哲学する プロローグ …

雪起こしの地鳴りに包まれながら

雪起こしは遠くから迫ってくる巨人の跫音のよう。巨人が去ると雨音がいっそう激しくなる。その音をファンファーレに、またもう一人の巨人がやってくる。ここから、東へと向かうのか南へ赴くのか。まだ秋である土地へ足を踏み入れて、時をもたらしていくのか…

彼岸に花

曼珠沙華ついでにもう一つ。曼珠沙華は彼岸花ともいいますね。 彼岸。われわれの住む迷いの此岸から彼岸に至る、到彼岸をさとりという。そして彼岸に至った人は(ほんとは人ぢゃなくもはや仏陀ですが)迷いの此岸にもう一度帰ってくる、という言い方。これは…

曼珠沙華の味

何年か前、何があったか忘れたけど朝帰りをしたとき、京都西山の麓を登る家路で、たくさんの曼珠沙華に出くわした。ってことは秋のお彼岸の頃だったのだろう。朝の気持ちのよい空気が、彼岸花の鮮烈をさわやかに見せていた。ぼくは思わずそのうちの一つを手…

曼珠沙華に雪

曼珠沙華に雪がふったら、鮮烈だろう。実際はあり得ない絵ですが。 この夏、子どもの顔ほどもあるオバケ花を通勤路で発見した。毎日自転車で通る時、いくつ咲いているか、いくつ枯れているかを楽しみにしていた。秋になってもなかなか枯れずにいたので、冬ま…

初雪の日に

2004年7月に、『花はどこに咲いているか――Jポップで哲学する』という本が上梓されました。この本をネタに、このブログをはじめたいと思います。というのも、著者はぼく、西元和夫だからというよりむしろ、ある方(http://d.hatena.ne.jp/trouble/)の言…