新年度のあいさつ

園庭の櫻が見頃です。通りを行く人が思わず足を止めて見入っています。今日は始業式で、久しぶりに子どもたちが登園してきました。式で職員の担当を紹介する時、今年から園長になったので、その旨紹介してもらったのですが、その時の園児たちの呆気にとられた顔といったら、なかった。「ニッシィーがぁ?」「え?これはエンチョーセンセぢゃなくてカヅヲセンセでしょ?!」とでも言いたいような、「狐につままれた」とは、まさにああいう表情を言うのでしょう。笑いをこらえるのが大変でした。園長らしくと思ってしていった蝶ネクタイが、年中組の女の子に不評だったことを後で聞いてちょっと残念だったけど。
そして、子どもたちへ新年度のあいさつに、こんな話をいたしました。
こないだ来たときと何が変わってた?(いっぱい答えが返ってくる。このリアクションは大学では得られないことだ。なぜだろう。)クラスが変わった、教室も変わった。これからも何でもできるようになり、どんどん変わっていく。中学生にも成るし、おばあさんにも変身する。櫻も裸の木だったのが、今や衣をまとってる。あっという間に散っていく桜だけれど、この花が咲くまでには、たくさんのお仕事をした。目に見えない大地の中に根を張って、そこから水をぐんぐん吸い上げ、体中にみなぎらせ、指先から発散し、葉を茂らせ、お日様をいっぱい受けて、葉を落として雪につぼみを固くして、そういう仕事の後に、やっと花としてほころぶのです。だからきみたちが大人になるまでには、たくさんしなきゃいけないことがあるよ。その一つ、おもいっきり遊ぶこと。ちゃんと遊ばないと大きくなれません。もう一つ、ご飯をよく噛んで残さずしっかり食べること。そしてもう一つ、よく聞くこと。ひとの話も、春の言葉も櫻の声も