笑い転げる

うち風になる。そういって風の中の高原を駆け出す長女。
ごろごろ競争しようと誘われ、坂に寝転がり転がり落ちる。

思いの外に回転速度も降下速度も早く、笑いながら転げ落ちる。
これはおもしろい。ごろごろ転がって真っ白だ。次にはちゃんと目を開けて。それでも、ものは形を結ばず上下左右が早さの中に消える。ぎゃははははという間に止まると消える異世界の残像は眩暈、そこではまだ世界は天地無用、耳の後ろまでも草の触覚あらぬ方向の地平線。
誘われて、おもしろがって何度も何度もやってしまって、気持ち悪くなる。異世界酔いだ。