三年生の心の闇

倦怠不良のような雰囲気を漂わせていた数週間前の息子がある朝ぼくに向かってぼそっと言った。
「ねえー・・・心の闇が大きくなった。心の中に穴が空いているみたいな・・・・。」彼なら、借り物の言葉ではなく、言いそうなことだ。でも、今はそれをそらして、言った。そんな感じの時は、空手やってるだろ。突きを何回もやってみてご覧、と。質実剛健風な、体育会系な、あるいはつまらない大人が言いそうな、セリフだ。もうちょっと大きくなってその言葉がでたらとことんつき合おう。今は、心で心をつかむことによって「闇」なるものをいたずらに肥大化させぬよう、そんな応え方をした。
ちょっとあとに小学一年生の娘が唐突に「言葉ってみえるだ?(「みえるだ」は境港弁で「見えるの」の謂い)