宿題よりも

夜、宿題をしようとしていた息子が何気なく話しかけてくる。「今日黒ダイヤを友だちにプレゼントした。黒ダイヤって炭のこと」。ぼくが、先日見た、砂鉄と木炭とで譆(けら)という鋼のもとができるという、たたら製鉄を思い起こしている間に、トリュフの箱を転用した鉱物ケースをもちだして来る。



これが黒ダイヤ、この石には石英がついてる、これは雲母に方解石が入ってるもの、こっちは千葉から持って帰ったもの、これは学校のグランドで見つけた水晶・・・石についての蘊蓄が繰り広げられる。
そこへ荊妻が指輪やピアスをもってくると、「お、トパズだ。へぇー、ラピスラズリもある。」鉱物図鑑持ち出して調べはじめる。
                            

ポケット版 学研の図鑑〈7〉鉱物・岩石 (学研の図鑑 (7))

ポケット版 学研の図鑑〈7〉鉱物・岩石 (学研の図鑑 (7))

麦酒片手に聞きながら、宝石屋にもなれそうだなあと夢想する。ただ、お客さんの装飾的関心からずれた石の組成とかを延々語り出す頓珍漢な宝石屋になりそうだなとほくそ笑む。
荊妻がふと言う。「たっしー、徳川の将軍の名前みんないってごらん」「家康、秀忠、家光・・・・・慶喜」おお!好きだねえ。このごろはすっかり武田信玄びいきで、紙でなんか作ってると思ったら信玄の軍配。なのに、いつの間にやら徳川家も覚えてたんだ。
そうこうするうちに、ベーゴマ回しに挑戦。まわすのむつかしいよね。でも、なんかいい音がしてた。
「もう10時だよ。寝たら」と言ったら、思い出したように、「宿題が・・・!」だって。もういいぢゃん。こんなに色々夢中になれてるんだからさ。それに今キーボード叩きながら食べてるのは、080621のブログに登場した上田勝彦さんが釣ってすぐ血抜きしてしめた鰺を、彼がさばいてくれた刺身だよ。