えほんによせて―『ちいさなうさこちゃん』

ちいさなうさこちゃん (ブルーナの絵本)

ちいさなうさこちゃん (ブルーナの絵本)

このうさぎのキャラクターの名前は? ミッフィー? うさこちゃんです。この名を知らない人が意外と多いように思います。ってことはこの本を読んだことがないということです。はじめ「ミッフィー」と聞いた時、言いにくい名前だなあと思いました。でも、それが本名ならば仕方ないなあとも思いました。
ある時、絵本をよく見ると原題が書いてある。そこから察するに、本名はオランダ語でnijntje(何と読むのでしょうね)のはずだ。それなら、ミッフィーという英語名と日本語名のうさこちゃんは等価です。以来、あの言いにくい名前ではなく、堂々と「うさこちゃん」で通すことにしています。
オランダのディック・ブルーナの鮮明な絵、独特な線と色は、赤ちゃんも楽しめます。まだ視力は0.02程度、30センチほど距離しか見えないと言われる3か月のころ、わたしの息子はこの本を読むと手を伸ばすように手足を動かしていたのを思い出します。絵ばかりでなく、言葉が絶品です。いしいももこさんの訳ですが、何回も読めば、大人も空で言えるようになります。
この本は「子どもがはじめてであう絵本」というシリーズになっています。ですから、「わかる」とか「わからない」とかではなく、とにかく赤ちゃんにも読んで聞かせませう!
すばらしい絵、リズムのある言葉、その二つの幸福な出会いが絵本なのです。そんな上質な絵本のシャワーを子どもたちにいっぱいいっぱい浴びせたいですね。