宗教学ふうに

宗教を考えるための枠組みに、世界宗教民族宗教創唱宗教自然宗教などがある。創唱宗教というのは言い出しっぺのいる宗教のことで、イスラム、仏教など。自然宗教とは自然発生的な宗教くらいの意味で、地縁や血縁によって結びつく共同体の宗教。共同体という場面が本場なので、個人という尖端、或いは自覚は、必ずしも要求されない。個々人の苦悩を解決するのではなく、共同体を維持することが目的となる。自然発生的宗教だから、教祖を要しない。教祖の目ざめなどという特異な体験をとおして語られる特異な世界を、わざわざ読んだり聞いたりする必要がなく、或る社会に属することで「自然に」身に付いてしまうような意識や習慣のありかたのこと。
ぼくが日本教と呼んでいるものは日本の民族宗教みたいなものだが、仏教は日本に来ると、日本教に浸食されて、創唱宗教世界宗教であることをやめるようである。