食卓で

夕食時、小学校一年生の息子が話していたことに、しばし箸が止まる。
生まれてすぐ死んじゃう子もいる(だから好き嫌いせず食べなきゃいけない、と妹たちに語っているという文脈)。食べ物がないからだ。それなら、食べ物を送ったらいい。
ここまでの発想は、わりとたやすく出て来るであろう。しばらく考えて、私は彼にこう切り返した。送るのはいいけど、食べ物のない人達がたくさんいるのはアフリカみたいに遠くだから、(目の前の皿を取って)これを送っても運んでる間に腐っちゃうんぢゃない?
息子曰く、それなら苗や種を植えればいい(ちなみに、庭の小さな畑に毎朝水やりをしているのは彼です)。そうしたら食べられるようになる。
この意見に私は大きく同意した。彼は続けた。
でも太陽が暑すぎるか。太陽をどうにかしないと・・・でもそれはできない。だって近づけない。近づいたら、みんな熔け死んぢゃう。・・・それか、祈ったらいい。寒い國や暑い國がちょうどいい温度になるように、願ったらいい。佛さまに。
授業では飢餓や貧困をなくすにはどうしたらよいかを考えている。或る方策も提示している。そんな矢先、たまたま息子のこの話。なんか、子どもから思いもよらない素敵な着想が出てこないか、思わず真剣に聞き入ったのでした。