子どもの問い(5)この手はだれの?

「自分は見えないよ。この手、だれの?」と手をかざして娘が言う。え? あっぱーだと思っていた娘が、そんな、自己にまつわる根源的な問いをぽろりと発するなんて!
「鏡に映ったら見えるけど、見えないよ。」「自分は見えないよ。どこにいるだ?」(「いるだ」は境港の方言。彼女は引っ越してきた家族中いちばんに境弁流暢に話すようになった。)ここはどこ?という仕草だ。そして湯船の中の人を数えて5人のところを「4人いるよ」と! 無我とは「ジブンヲカンジョウニ入レズニ」である。