快音

胸躍るうれしいことがあった。晴れ晴れとして、舞い踊らんばかりのかろやかさ。よろこびが溢れるいきほいで進む足どり。
何があったかって? この言葉を目にしたのです。
今、いのちがあなたを生きている
これだ! これが聞きたかったのだ。お見事! これで十分。充溢。
ときどき、いい詩や絵本に出会った時以外は、げんなりすることばかりな言葉の渦の中で生きている。ことにいのちを巡る言葉には、気分が悪くなることがほとんど。そんな陰のなかにいるせいか、その言葉は光だった。説明がいらない。胸のすく思い。
よろこびのいきほいで、その日の三時間の授業はみな、この言葉の実感的開明についやしてしまった。ちなみに、これは東本願寺の壁に掲げられていました。