ゴア・IPCC・京都

昨日の新聞の一面には、ゴア氏とIPCCノーベル賞受賞と京都四条通でのトランジットモール実験とが並んでいた。
COP3(地球温暖化防止会議)の時、たくさんの人を誘って温暖化防止パレードに馳せ参じた。京都議定書を巡って議論が難航していたが、パレードの盛り上がりの最中、「ゴアが来る!」という情報が流れ、さらにパレードは加熱した。
ブッシュとの大統領選ですっきりしない敗北をしたときは、残念だった。環境政策はゴアのほうに期待できるのは明らかであり、「環境問題は政治問題」とすればなおさらである。その後、世界最大の二酸化炭素排出国のアメリカが京都議定書を批准しないと言い出して、「だから・・・・」と思っていた。そんなこんなで、「不都合な真実」の映像は見ていないけど、このたびの受賞は、よかったなあと思うのである。
COP3のころ京都にいたので、いろいろな講演会などで勉強する機会があった。その中で、京都の交通のビジョンとして、低床式の路面電車と歩道を広くとり、自動車を大幅に規制し、自家車は乗り入れを禁じ、路線バスとタクシーのレーンを決めて等、車道や歩道や自転車道をきちんと配置した斬新な都市構想を聞いたことがあり、大いに拍手をした。あらゆる道は、あまりに自動車中心の道路になってしまっており、歩行者は端に押しやられ、おっかなびっくり歩くような現状がおかしいと思っていたからである。お年寄りには地下まで降りていくのも一苦労であり、LRTの方がどれほどいいか明らかだったし、工事費だって桁違いであることは想像に難くなかったが、それでも、当時地下鉄の新しい路線が通ったり工事が進められたりしている状況下、そのビジョンは絵に描いた餅のように思ってしまったことも事実だ。
だから、このたびの四条通の実験は感慨が深い。2009年の導入を目指しているそうだが、ここに至るまでの10年ほど、おそらくそれほど多くない人達の持続的な、ビジョンを政策にまで反映させ実行にこぎ着けるまでの地味ィーで地道な仕事に、感服し敬意を表さずにはいられない。