日曜はエデンの園

日曜日の午前中、庭で、落とし穴ほどに掘った穴へ息子がホースで水をためている。すると、娘が服を脱ぎ出す。タイト目のロングスカートが遊びの邪魔になったのだろうと思ったのだが、それどころぢゃない。何と、一糸まとわぬ姿に！　そして笑ってる。「お風呂！」だって。「え？　まさかこの泥水のなかに入るの」と言ってるぼくにお構いなく、双子のもう一人までが脱ぎ出す始末。二人は丸裸で遊んでいる。おお！　まるでここはエデンの園ではないか！
大人は服を脱いだところでエデンを現成させることはできない。脇腹の肉が気になるとか何とかいう分別が残っているから。子どもたちにつられて裸ではしゃぐこともあるが、その間はエデンの住人であったとしても、「もー、やめてよ」などと妻に言われると意識が曇る、そのとたん、裸では捕まる世界に引き戻される。
娘たちの風光を「まるでエデンだ」と、縁側から楽しく眺めていたぼくはけれど、風呂に湯を入れに走る。エデンから追放されてはじまった人間は、額に汗して労働しなければならないのだ。
そんなエデンの風景を写真に載せたいと思ったが、分別の世界では「児童ポルノ」と言われ貶められるオソレがあるので、やめときます。