旬ぢゃないけど双子の文章

2008-04-10のブログ「問と答」に書いたことは、講義でもしばしば言ってきたことで、「おうまはみんな」という歌を使って説明をしたり、さらにその替え歌を試験問題にまでして楽しんだ事柄である。ただ、文体があまり説明的でなかったせいか「意味不明」だったのだろう。あれを書いたのと同時期に某新聞に書いたものを、時季はずれだけど、以下に挙げておきます。一緒にみたら通じるかもしれないので。
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「何だこれは!」
 そんな驚きに見舞われ、不思議な事実に満たされる。
 たとえば桜の花びら。
舞ってる時はひきさらわれて、花の一枚いちまいに攪拌されて、慄然たる心。
 降ってくる時は宙をゆく花びらの、あの速度、それのもたらす閑かさに、あやしさつのるばかりの心。
 奪われてしまえ。心など、私のうちに定住するものではないのだという、ほんとうのことがおとずれる。
心など、桜にあずけてしまえ。「桜がきれいだ」などという固定観念・空間を平べったくするヴェールを剥がし、異次元の断層があらわな空間に身をひたして、健康を快復せよ。
しだいに「何で?」があらわれる。
ものぐるおしさをかもすものは、花びらの落下速度に違いない。まるで重力とは無縁でるかのようなそぶりで、時の流れを止める魔法。思うに時間とは、ものの動きのようである。時間・空間・重力の、織り成し具合で世界は変わる。