脳みそ写真

意識のブランクを経験したため、脳に異常がないか、病院で診てもらった。近年は行かなきゃと思っていたので、ちょうどいい機会だ。CTなるものを撮ってもらえるのでドキドキした。目をつむってくれと言われると、開けたくてしょうがなくなる。
脳波もとってもらった。電極をいっぱい頭につけて、目をつむって横たわる。こちらは、目を開けようものなら別室からアナウンスが入る。「目を閉じてください」。ちゃんと脳波に出るようだ。そして、後半うとうとしようものなら、たちどころに「もう少しだから眠らないで!」。アルファ波なるものが、眠りだすと如実に消えるとのこと。
CTなどなくて、脳が画像として見れなかった以前のながいこと、もっぱら脳波を調べて腫瘍等を見つけたそうだ。今や、画像として見れるため、そこから落ちるものをひろう補助手段としての検査とのこと。おもしろいなあ、世界の究極の単位が粒か波かという議論の構造がここにも反映されてるんだな。そして、やはり目の優位だ。以前、レントゲンで映らないものを聴診器で聞き取る熟練ドクターの話を聞いて感動したっけ。空間(にあるもの)は見えるけど、時間は見えない。見えないものは「ない」と思い込むか、「あなたの知らない世界」と可視化を施して騒ぐか。
脳の動きを電気信号として記録するみたいなことを技師さんが言われるので、脳の動きはそもそも電気的な何かなのか、電気によって電気として取ることができるのか、どっちですかと尋ねたら、そんなこと考えたこともないし初めて聞かれたと笑っていた。
ついでに結果は、というと。血液検査も尿検査も全く立派です。と健康を保証してもらっちゃった。脳にも何の影も見えないって。意識がないときのことを話すために付き添ってくれた妻が、性格が偏ってるのでどっちかの脳が小さいとかないですか、と尋ねたけど、全く異常なしだって。ただ、輪切りの写真を見て女のドクターが笑いながら言った、「前が出てますね」。
病院行って健康ですって太鼓判押されると妙に元気になるね。変にハイな笑いが出るし。さらに後押しで聖子ちゃんだ。