大きくなったら何になりたい?

双子の娘が将来なりたいものは、一人は芸術家、末の子は魔女とキノコ屋さん。息子曰く「ぼくは、大工で漁師で、設計士で、それからあの、あの、哲学者。」「なにがベースになるかが問題だ。」と私。「真空の研究もしたいし。」「パスカルも真空実験してたんぢゃないかな。」「思想家?」「うん。」「でも思想家って何? 父さんの部屋にあった「思想家パスカル」とかなんとか。」「思想家ってのは、まあ、ものを考える人。その鋭いのが哲学者」。息子「ぢゃあ、思想家は大山で言ったら下の回りをぐるぐる回る人で、哲学者はまわりをいろいろもっと調べたり、登っていったりする人?」「うん。上る人が哲学者だな。ただ、哲学では頂上まで行けないから哲学はだめだっていう人もいる。頂上に足をつけるのが宗教者。だからって、宗教より哲学の方がだめだとは思わない。哲学者がのぼりつめて頂上に足をつけたら宗教者って名前が変わるんだ。で、いつまでも頂上にいるのは変な意味でありがたそうだけど中途半端な宗教者。頂上を経験してから頂上付近でうろうろしている哲学者がいても、頂上に登ったことのない人にとっては、その人が頂上経験のない救いのない哲学者なのか、頂上に背を向けた頂上を後光にしてる宗教哲学者なのかは、わかんないだろーね。
ところで、娘たちにときどき聞かれます。父さん大きくなったら何になりたい?