たましいの由来

かたつむりたましひ星にもらひけり 成瀬櫻桃子
この作者は、かたつむりというあのべたべたぬるぬるした生きものをみて、そのうちに「たましい」を感得しているということはわかる。
あんな「下等な」生きものに、魂なんてあるわけがないと思うだろうか。
かたつむり以前に、人間にとって「たましい」なるものがわかりにくくなっている。その証拠にたましいなんて言葉はもはや死語であろう。心や気持ちというのはよくわかるし、それが大切なものだという強調は、十分すぎるほどである。しかし、「たましい」である。それは、どこにあるのか。どのようなものか。
たましい、しかも、かたつむりのそれが、星からもたらされたというのである。かたつむりの中にたましいを見出しただけでなく、かたつむりと星のつながりをも見出しているのである。
さて、あなたのたましいは何にもらったのか。